開業届け
いわゆる「開業届け」は、正確には「個人事業の開廃業等届出書」と言いますが、A4一枚の簡単な書式の紙切れです。
サラリーマンやパートやアルバイトしか経験のなかった人にとって、このような書類は「たいそうなもの」に感じるかもしれませんが、例えるなら住民票程度のものです。「書いて出すだけ。」それだけです。とても簡単なことです。
株式会社を設立する際は、税務署はもちろん市役所や県庁(府庁、都庁、道庁)、さらに法務局など様々な国の機関に出向く必要があり、書類の不備があると受理してもらえません。
一方、個人事業開始の場合は、紙切れ一枚提出するだけで済みます。手続きの簡単さは、法人の設立のそれとは雲泥の差があります。
それゆえ、提出の控えは渡されません。控えをもらわないと、翌年の「税金支払いのための資料」が送られてくるまで、提出できたかどうかさえわからないという、ある意味いい加減なしくみになっています。
ですから、開業届けの提出時はコピーを何枚か用意しておき、提出用と控えに分けて、控えには受付印をもらうようにしておくと良いでしょう。
この控えは、大した意味も効力も持たないのですが、銀行口座を開設するときやショッピングモール(ヤフーや楽天など)などに出店する際、「開業していることの証明」の書類として使えるかもしれません。
仕入れとは
「これからネットショップを始めたい。興味がある。仕入れってどうやるの?」もし、あなたがこのように思っているなら、「仕入れ」にまず目をつけたところは、いいセンスしているかも知れません。なぜなら、仕入れはネット通販の命だからです。もちろん、ネット通販に限ったことではありません。一般小売店、企業の「仕入れ」も命です。
「仕入れ」を、別の言い方をするなら、それは企業秘密でもあり、経営戦略上のノウハウでもあります。だから、第三者に対して「どこのメーカーから仕入れている。」とか、「どれくらいの価格で仕入れている。」なんてことは、口がさけても言えないのです。
大手企業の合併のニュースなどもよく聞くと思います。例えば、A社が、今まで、ある商品を100個仕入れていたのが、B社と合併し、規模が2倍になることで、1社で200個仕入れることができます。
すると、仕入れ先に対して、「2倍の数量仕入れるから価格を下げて欲しい。」と交渉を持ちかけることができます。そして、仕入れ価格を下げることに成功すれば、利益は増え、同業者との競走で優位に立てるわけです。
「いかにして利益を出すか。」、「いかに戦うか。」という第一歩が仕入れ部分にあるのです。つまり、経営ノウハウの一部でもあるのです。
メーカー・商社・問屋
通常、商品はメーカーや商社、問屋などから仕入れます。メーカーとは製品の企画から製造までを行う、文字通り作る企業です。
商社とは、輸入品を扱う会社、と言えば分りやすいでしょう。そして、いろいろなメーカーや商社の商品を扱うのが問屋、といった感じです。
具体的には、ソニーはソニー製品だけを作ります。パナソニックはパナソニック製品だけを作ります。ソニーやパナソニックはメーカーです。そして、ソニーやパナソニック、シャープに日立など、様々なメーカー品を扱うのが問屋といった感じです。
一方、商社には三菱商事や三菱物産、伊藤忠などの大手の総合商社と、それ以外の(専門)商社があります。商社は海外製品の輸入窓口であり、国内販売の風上と言えます。商社自身がモノを企画・製造することもありますが、小さな専門商社はおおむね既成の輸入品を扱うところが多いようです。